論議を呼ぶ夜間外出制限=サンパウロ州4市で取締りや指導=犯罪などが激減の実績も
ニッケイ新聞 2009年4月29日付け
サンパウロ州フェルナンドポリス市では、青少年への夜間外出制限により、犯罪が八〇%減少と二十七日エスタード紙が報じた。
ブラジルというと、自由を謳歌する国という印象を持つ人も多いが、同市では四年前から、一八歳未満の青少年は、保護者同伴でなければ二三時以降の外出禁止。この外出制限により、四年間で犯罪は八〇%、児童相談所への苦情は八二%減少と報告されている。
具体的には、〇五年の青少年による犯罪三七八件が、〇六年には三二九件、〇七年には二九〇件、〇八年には七四件に減少している。中には、〇五年には一二三件あった盗みが〇八年には一一件のように、九一%も減少したものもあり、麻薬や飲酒、盗みを主因とする児童相談所への苦情も、月五〇〇件が月九〇件に減ったという。
これらの結果に触発され、二十日から同様の外出制限を始めたのがサンパウロ州北西部のミラソウ、イタプーラ、イーリャ・ソウテイラの三市だ。
一三歳以下は二〇時半、一四~一五歳は二二時、一六~一七歳は二三時を上限としたフェルナンドポリスの制度そのままを導入し、夜間取締りも開始。保護者同伴でも一三歳以下のランハウス使用禁止という市もあり、バールなどの売上も落ちたともいう。
これらの市では、制限時間を過ぎているだけなら、すぐに帰るよう指示するが、飲酒や銃器や麻薬所持などが加わると即座に補導し、児童相談所にも通告。この場合、補導された青少年は親と同伴でなければ帰宅できない。忠告や補導が回数を重ねると罰金などの細則もあるようだ。
夜間外出制限については、犯罪防止や翌日の学習成果などの面から賛成する意見や、青少年保護は親と社会、国の共同責任という意味で是とする声も多い一方、子供の自由を束縛、娯楽や恋愛の機会を奪う、店の売上に響くといった声もある。
また、実施には地域社会との連繋も必須。娘の恋人が銃を持ち、麻薬を吸うとも知らずに夜間外出を認めていた親が、補導後に現実と向き合った例など、憲法と青少年の権利、親の責任といった問題も含め、四市の取組みが関心を呼んでいる。