ニッケイ新聞 2009年4月29日付け
国際通貨基金(IMF)のドミニッキ・S・カーン専務理事は二十六日、ブラジルは新興国の結束に励むことでIMF出資率に占める割合よりも、世界経済に占める重要度の方が大きいと皮肉な誉め方をした。
「ブラジルのIMF出資率は〇八年、一・四%から一・七%へ増資し、世界経済へ及ぼす変化は殆どない。しかし、ルーラ大統領が展開する外交政策は益々比重を増し、世界経済の舵取りをするような発言をする」とその成長振りを評した。
同専務理事は「ブラジルはIMFでの発言力を強めるために増資したのではない」とし、増資は、キューバをIMFやIBRD(世銀)の融資対象国へ入れるための布石であったと見ている。
ブラジルの次の目標は、途上国連合G20のクレジット確保のようだとIMFはいう。各国代表の演説要旨を聞いていると、恐慌はもはや最懸念問題ではないとの印象を受けると同専務理事が述べた。