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東西南北

ニッケイ新聞 2009年4月29日付け

 豚インフルエンザにタミフルが効くと聞いて我先に薬局に走った人もいたようだが、保健省では自己診断で薬を使うことへの懸念を表明。自己判断で抗生物質を飲んでいたため、脳膜炎を患った時に医者が処方した抗生物質が効かず死亡した例など、薬の乱用はいざという時に薬が効かない体を作ることもある。保健省では、感染地域への旅行者や感染の疑いのある人と接触した場合以外、風邪=豚インフルエンザではないので慌てるなというが、不安になるのは無理からぬこと。異常行動が問題にされた時は加害者扱いだったタミフルが、今や「タミフル様様」なのも人の世の常?
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 サンパウロ州サントス市で一月に承認された条例は、食べ物を提供する店は、トイレに糸楊枝(フィオ・デンタル)を置く事を義務付けている。九〇日間の適応期間も二十一日に切れ、条例を守ってない店は最低一〇〇〇レアルの罰金という。食卓で楊枝を使う様子を、顔をしかめて見ている人がかなりいることは知っていたが、条例で義務化とは。もっとも、場所によっては、トイレには化粧品やうがい薬が置かれ、果ては靴磨きまでいるというから、糸楊枝くらいは当たり前か。
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 最高裁が先住民保護区の継続と非先住民の立退きを決定したロライマ州ラポーザ・セーラ・ド・ソウでは、非先住民の立退き期限の四月三十日を前に、米の収穫まであとわずかという理由と、牛を移動させる場所が確保できてないという理由から、立退き期限延長の訴えが出されている。道路封鎖などの実力行使に出て逮捕された経験もある米作り農家のパウロ・セーザル・クアルチエロ氏は、先住民たちが利用できないようにと、灌漑用の水の管や建物も壊して出て行ったようだが。