ニッケイ新聞 2009年4月28日付け
時価総額で世界四位の規模をもつサンパウロ市証券取引所(BM&F Bovespa)に、もっと日本から投資を――。ブラジル日本商工会議所の金融部会(山崎展生部会長)が主催する見学会一行四十人は二十三日、サンパウロ市セントロにある同取引所を訪れた。先物取引部門で対応にきたエデミール・ピント代表は「我々は時価総額で世界四位。みなさんと一緒にもっと経済成長したい」とさらなる投資を呼びかけた。
昨年三月に先物取引所(BM&F)と証券取引所(Bovespa)の合併が発表され、時価総額で世界三位と大々的に報道されていたのは記憶に新しい。
ピント代表は商議所一行を前に、「金融危機でアラクルースやサジアの巨額損失も起きたが通常の業務のなかで素早く処理された。有事にも強い取引システムが構築された」と説明し、「プラノ・レアル以来、ブラジルは素晴らしい道を歩み始めた。将来に楽観している。先進諸国と違って、ここはまだ利子を下げる余地が大きい。まだ〃弾〃はたくさん装填されている」と投資を勧めた。
ビジネス・マネージャーのルーシー・パンボウジャンさんらが、最初に同取引所の概要を説明。〇八年のラ米全体における金融派生商品の取引量の九五%以上を占め、中米以南では圧倒的な存在感を誇っており、「ラ米におけるリーダーとして、グローバルプレイヤー(世界的な重要取引役)の一翼を担っている」と語った。
同取引所が発表する主要指数Ibovespaは昨年七月頃に七万ポイントの高値を記録したが、金融危機を受け約半額になるダメージを受けた。ところが、今年年頭から回復基調に入り、四万六千ポイントまで戻した。先のG20でも、ルーラ大統領は新興国を代表する立場で発言する機会も多く、国際的な存在感を強めている。
〇七年以来、年間取引総額は千兆ドルの大台を越えており、現在の時価総額は世界四位。一位はシカゴ、二位はドイツ、三位は香港となっている。同証券取引所の広報によれば、三位との市場規模が比較的近いことから、為替の関係などで入れ替わることがあるという。
見学会に参加した幹事会議長の山田唯資さん(84、静岡県)は、「外国からの投資が戻ってきており、経済が成長軌道に乗っていることを実感する見学になった。このようにブラジルを知る機会を商議所が提供するのは意義深い」と感想をのべた。