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なかなか縮まぬ公私の差=高校学力テストの結果出る=数字に出ない部分の評価も

ニッケイ新聞 2009年4月30日付け

 〇八年の高校三年生の学力テスト(Enem)の結果が二十八日に発表され、二十九日付伯字紙が一斉に報じた。
 テレビでは、上位二〇校中一五校は私立校が占め、下位二〇校は州立校であったことを挙げ、高校教育は〇七年から改善されていないと報じたが、伯字紙ではもう少し詳細な報告を掲載。
 フォーリャ紙では、成績上位一〇%の学校一九一七校中、公立校は国立八三校を含む一五一校のみで、エリート校の八%を占めるのみと報じた。
 また、入試を行わない公立普通科校トップとなった南大河州立校は一九三五位で、エリート校には入らなかったが、教師不足を教科外教師による代行授業などでカバーしている事にも言及。
 教師や生徒の意識が高い学校は参加者も多く、その逆も真といわれるEnemの結果は、入試得点の一部とする大学もある他、個人の学力確認、低所得家庭子弟への奨学金(ProUni)の選考基準にもなる。〇九年からは、国立大の一次試験替わりなど、その比重がますます大きくなることも決まっている。
 結果は、公私、地域別など様々な形で集計されているが、四年間に三度も全国一となったリオ市サンベント校は、二位の七七・三八点以下を大きく引き離す八〇・五八点の高得点。エスタード紙によれば、リオ市の私立校が上位を占めるのは、かつて首都としてエリート教育の中心だった伝統の名残だという。
 Enemの結果には、地域や受験生家庭の経済力、教育への優先度なども現れるが、サンパウロ州のトップはエンブラエルの援助で月謝不要の私立校E・J・ヴァンデルレイ校。成績上位校では、生徒の学習意欲を高め、応用力をつけさせるなどの工夫もしているようだ。
 一方、結果的にはビリから二番目だったパラナ州の聴覚障害者向け学校では、手話通訳付きで受験した生徒達が、健常な学生同様に参加出来たことを祝ったなど、数字には出てこない部分も。
 Enemの結果を高校受験の選択基準とする人も多いようだが、〇九年分からは六三問が二〇〇問に増え、分析力なども試すというEnemで結果を出すには、学校と生徒双方の努力が必要だ。