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はつらつ老ク連交流旅行=カンピーナス・インダイアツーバへ=連載《下》=トヨタ、ヤンマー工場を見学=半世紀ぶりの再会も

ニッケイ新聞 2009年4月30日付け

 インダイアツーバのホテルでゆっくり休んだ後、一行は「ヤンマーAGRITECH」の工場を見学した。アチバイア文協の老人クラブ、清流会(仲正雄会長)の三十九人も合流した。
 同工場は七一年に運転を開始、トラトールのモーターを製造している。
 三グル―プに分かれて見学、清流会の会員で五九年に来伯した堀田一枝さん(84、熊本)は、「作っているのを見るのは初めてですよ」と興味深そう。
 続いて、同市にあるトヨタ工場も訪れた。一万三千平方米の敷地面積で日産三百台のニュー・カローラを生産、南米各地に輸出している。
 参加者らは、「さすがは日本のシステムだねえ。しっかりしている」とどこか誇らしげに話しながらバスに乗り込む。
 道案内に乗り込んだ親和会の丸山茂会長(82、長野)と共に、インダイアツーバ文協会館に向かう。
 この丸山会長、知る人ぞ知る大音声で知られる名物会長だ。バスの一行はその響き渡る声に目を白黒。
 元気な声では負けてはいない老ク連の山本茂さんがインダイアツーバの人口や標高などを質問するも、「そんなことは知らない! ゲートボールが忙しい」と一刀両断の丸山会長の言葉にバスの中は笑いに包まれた。
 正午過ぎから、文協会館で開かれた例会で丸山会長はマイクの要らない大声で「これだけ集まったのは初めて」とあいさつ。親和会は三十人が出席した。
 茂庭パトリシオ同文協会長(60、二世)は「お互い遠くに住んでいるわけではないので、また交流できれば」と歓迎の意を表した。同文協は一九四七年に創立、現在二百五十家族が活動している。
 百人近くとなった参加者らは、カラオケや体操、昨日と同様に貞弘JICAシニアのレクレーションを楽しんだ。
 ビールを傾け、それぞれに歓談を楽しむ参加者のなかに半世紀ぶりの再会を喜ぶ三人がいた。
 一九五八年十一月にサントスに到着した「第二回あるぜんちな丸」の同船者だった西丸俊子さん(80、香川)と、インダイアツーバ在住の植原禎輔さん(80、熊本)、みさをさん(79、同)だ。
 西丸さんは「お土産も貰った。人生最良の日」と連絡先を交換、またの再会を約束していた。
 参加者らはお互いに握手を交わし、三々五々、会場を後に。一行もサンパウロへの帰途に就いた。(おわり、堀江剛史記者)

写真=上=3つの老人会が集まり、お互いの健康を祝して乾杯!/下=同船者だった植原禎輔、みさを夫妻と西丸俊子さん(右から)。半世紀ぶりの再会を植原さんの娘成美さん(左)も喜んだ