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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2009年4月30日付け

 子供の頃遊んだカルタに「面倒がらずに爪切りポッチン」という札があったが、日本人の修道女の一人は、校長を務めた学校の生徒に「面倒だからやっておこう」と教えたという。
 トイレの紙が無くなったら取り替える、手拭が汚れているのに気付いたら新しい物を掛けておくなど、自分がやっておけば他人が面倒な思いや不便な思いをせずに済むというものだが、判っていても出来ないのも人間。
 自分も他人も気持ちよく過ごせるために、自分がほんの少し手を伸ばすという考えは、家の前を掃く時の、道の半分よりもう少し、隣の家の前も半分よりもう少し向こうまで掃いておけとの教えにも通じるものだ。
 自分さえ良ければという考えや行動が目立つ昨今。金融危機などですさんだ心に小さな灯りをともす意味でも、「面倒だからやっておこう」は役に立つ? (み)