ニッケイ新聞 2009年5月1日付け
中央銀行は四月二十九日、市場の予想通り通貨委員会(Copom)が満場一致で政策金利(Selic)を一%引き下げ、これまでの最低水準一〇・二五%とすることを発表と同三十日付けエスタード紙が報じた。
引き下げ目的は、一月から始めた通貨の循環促進。次回の通貨委員会も、引き続き金利を引き下げる市場の予想だ。インフレを差し引いた実勢金利では、五・八%。中国の六・六%とハンガリーが六・四%で、ブラジルは三位。ようやく高金利国の王座を降りた。
緩やかな金利の段階的引き下げは、金融関係者の誰もが望んでいる。それは最近の経済混乱で、図らずも立証された。「及ばざるは、過ぎたるに優る」らしい。金融危機で引き起こされた損害の失地回復は、年末から始まる予想だ。
最近の経済指標が、それを示唆している。給与所得者に支えられる消費市場の需要は、維持されている。減税による恒久財の売り上げとクレジットの緩やかな回復は、同時進行をしている。
製品在庫も徐々に減少し、生産の反応が期待されている。一方では、国庫の減収による財政ひっ迫が懸念される。政府は基本収支の黒字目標を引き下げ、公債の配当率をGDP(国内総生産)の三・八%から二・五%へ引き下げた。
中銀報告によれば、数カ月にわたって少しずつ政策金利を引き下げる方針のようだ。中銀はポウパンサ(貯蓄投資)の配当金と睨み合わせながら、通貨政策を行なう。ポウパンサが国債よりも有利であれば、資金の大移動が起こるからだ。
ポウパンサ政策は、メイレーレス中銀総裁がルーラ大統領と会合、すでに配当率を決定したようだ。中銀総裁は毎回、大統領に通貨政策の方向付けと技術的位置付けを報告する。