ニッケイ新聞 2009年5月1日付け
サンパウロ市のブラジル彫刻博物館(MuBE)で四月十四日夜、豊田豊さんの初めての回顧展「花の軽さ」(Leveza da Flor)のイナウグラソンが行われた。
この回顧展には、豊田さんが世界各国に設置したモニュメントやブラジル日本移民百周年を記念してブラジル各地に設置したモニュメントのパネルや模型に混じって豊田さんが〇七年、〇八年にかけてレジストロで作成したモニュメントの写真も展示してあり、又レジストロでの製作活動の映像も上映された。
豊田さんはレジストロ市名誉市民であるが、レジストロ滞在中、忙しい時間を割いて町の公立小中学校の生徒に芸術に関する話をした。この回顧展の開幕式にはマサコ・ヒラバヤシ校、パシェッコ・ロンバ校、州立外国語センターの生徒四十二人が付き添いの先生に連れられて参加した。
豊田さんはこの回顧展について、「私の作品の素材は金属で硬く、重い感じがしますが、花の様に、軽く、宇宙の花として世界に咲き誇って欲しいのです」と気持ちを語った。
さらに「今日は遠いレジストロから大勢の生徒を連れてきてくれてありがとうございました。若い人達は感受性が豊かで私の作品から色々感じ取ってくれるので嬉しいです。実は、来年私の生まれ故郷の山形県天童市の美術館から招待され回顧展を開くことになりました。故郷に恩返しをするつもりです」とも。豊田さんの回顧展は六日まで開かれる。(金子国栄さん通信)