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保身に走るサンパウロ市議員ら=不動産業界の献金問題で=カサビ市長らにも検察の手

ニッケイ新聞 2009年5月14日付け

 〇八年のサンパウロ市議選で、ブラジル不動産協会(AIB)名義の献金を受取った二九人の市議が、十二日の市議会審議を中断させたと十三日付エスタード紙が報じた。
 今週の市議会審議は麻痺との予想は十二日付同紙も報じたが、問題の市議達は議員権剥奪や四年間の立候補禁止もあり得る状況に直面している。
 サンパウロ州の不動産業界組合Secoviが、関連団体のAIB名義で行った献金四九〇万レアル中、三一〇万レアルを受取った二九人が、自己弁護や本件担当者であるマウリシオ・A・R・ロペス検事への批判などに三時間余りを費やしたという。
 四月十四、十五日付フォーリャ紙などによれば、AIBはサイトも事務所もない幽霊団体。連邦収税局への会計報告も行われてない非営利団体にも拘らず、ラ米最大の不動産業界組合との触れ込みを信じたサンパウロ市議候補者が受取った献金は当落合わせ四九〇万レアル、全州では六五〇万レアルにのぼるという。
 AIBからの献金を受けた市議が慌てて動き出したきっかけは、AIBから一万レアルの献金を受取ったアルセリーノ・タット市議が、不正領収書や小切手の発行発覚などで、十一日に選挙法違反で起訴された事。
 十三日付エスタード紙によれば、タット市議が受取った献金額は、二七万レアルのジョゼ・ポリセ・ネット市議や二四万レアルのアントニト・カルロス・ロドリーゲス市議らの中では最少額だ。
 一方、AIBに対しては、非営利団体による選挙資金提供はおかしいとし、今後は選挙献金を行わないとの文書への署名を命じただけで不起訴としたロペス検事。十二日の市議会では、献金提供者が不起訴なら受取人も不起訴の筈、〇八年選挙資金は選挙裁判所で承認済み、他の年の選挙資金内容を後から追及された例はない、などの声が上がったという。
 四月十五日付フォーリャ紙は、AIBから献金を受取った市議達は、市街化計画立案など、市の不動産市場関連分野で活躍と指摘。AIBからの献金疑惑では、カサビ市長やマルタ元市長、セーラ知事やルーラ大統領などの名までリストに挙がっているという。