ニッケイ新聞 2009年5月14日付け
山本五十六の「やってみせ、いって聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ」との言葉は有名だが、誉め言葉や叱責は、自分達の状態や位置を知らせてくれる大切な指標でもある。
それだけに、あの記事はおもしろかった、つまらなかった、良く判ったなどの読者の声は、記者にとって貴重な宝だ。
年配の牧師から、説教準備には聖書と聴衆の心の両方を読む必要があると聞いた事もあるが、記者にとり、記事にすべき内容と、記事を読んでくれる人の双方を知る意味でも、質問も含めた読者の声は聞きたいもの。
読者の生活や関心、果ては理解できる言葉のレベルまで、全てが、どのような内容をどのような表現で伝えるかにつながって来るからだ。
あの人なら喜んで読んでくれる、と読者の顔が浮かぶ。そんな記事が書けるためにも心のパイプが欲しいこの頃。 (み)