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ニッケイ新聞 2009年5月15日付け

 記念史発刊が決定した山本喜誉司賞。文協管理下の国士館センターで資料が焼却処分されてしまっていたため、新聞や当時の農業雑誌などをひっくり返しての編集作業に。四年間を経て日の出がすぐそこに見えてきた。「漏れがないか不安」という声が気になるが、農業で大貢献をしたコロニアが誇る一冊となることを期待したい。
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 記念史発刊のめどは立った山本賞だが、運営面では厳しい懐事情が続いているよう。高橋一水選考委員長は「不況で資金集めに苦労している」として運営への寄付を呼びかけている。団体一口千レアル、個人一口百レアルから。連絡は文協(11・3208・1755)へ。
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 隣国パラグアイでは干ばつの影響で大豆作に影響が出ているという。同国邦字紙の日系ジャーナルが伝えた地元の声によれば、ラパス農協では今年の収穫は半分、ピラポ農協は昨年比四〇~四五%の減収。イグアス農協では「入植以来最低の出来」とも。
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 一方の日本では、ブラジル野菜を地域の特産品に育てようという動きが出ているよう。日本農業新聞によれば、〇七年から栽培を始めた岐阜県可児市では、中濃地域農業改良普及センターが展示圃場の協力農家に苗を配布。当面はジロやズッキーニ、アボボラなど五種類で、不況で帰国するブラジル人に代わり、日本人向けの販路拡大も視野に入れているとか。