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6人集い54年ぶりの再会=「ボイスベン号」同船者の集い=「これからも続けよう」

ニッケイ新聞 2009年5月19日付け

 一九五五年五月十日にサントスに着港したオランダ船ボイスベン号の初めての同船者会が、十日午前十一時半からニッケイ・パラセホテルで開かれた。
 榎原美年夫さん(71、山梨)、信子さん(65、同)夫妻、薬師寺茂雄さん(89、愛媛)、フジ子さん(84、愛媛)夫妻、天達市雄さん(73、鹿児島)、坂和三郎さん(75、東京)の六人が集まり、五十四年ぶりの再会を祝った。
 ボイスベン号の同船者会は坂和さん、天達さんの発案から始まり、今回初めて実現。当日は五十四年前の船内での思い出話で盛り上がり、お互いの近況報告や当時の仲間が今何をやっているかなど話題は尽きなかった。
 ボイスベン号では、サンパウロに約百人、パラグアイに約七十人が移住した。パラグアイに入植した人の中には、厳しい農業条件の中、ブラジルへ移ってきた人もいたという。
 当時日本ではバナナは大変珍しい食べ物で、ブラジルで豊富に食べられることにみな船内で喜んでいたという話も。
 ブラジルで花作りを始め、現在プロポリスの生産を手掛ける薬師寺フジ子さんは、移住後農業に従事してきた月日を振り返り、「ブラジルは良いところ。本当に来てよかった」と話していた。
 この日の同船者会では来年以降も同船者会を開催することが話し合われた。次回はもっと多くの同船者を呼び集めようと、すでに新たな目標に向け活気に溢れていた。