ニッケイ新聞 2009年5月20日付け
リベルダーデで暮らしていると、非日系のブラジル人から突然、カタコトの日本語で話し掛けられることがある。
駅前で地図売りの男性に「ヤスイヨ」と言われ、バンカで買い物をすれば「ヨンとナナジュウゴね。(ポ語で)合ってるだろ?」。物乞いの女性から「オナカスイタ」と言われた時には、誰が教えたのかと思ったが。
以前、今はほとんどの入植者が出てしまった植民地を訪ねた時、植民地の全盛期には「日本語がペラペラのブラジル人もいた」といった話を聞いた。古い移住者の中で同じような経験のある人もいるかもしれない。
面白半分な面もあるにせよ、日語に見せるこの気軽さは、例えばドイツ系の町でこういった場面があるかと考えると、やはりリベルダーデならではの風景か。もっとも将来、そのカタコトしか残らないとなると悲しいことだが。 (ま)