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サンパウロ州で連日の強盗殺人=被害者妻もショックで死亡=8歳女児は21日に脳死判定

ニッケイ新聞 2009年5月22日付け

 サンパウロ州で連続して強盗殺人事件が発生し、大きなショックを与えている。
 二十、二十一日付伯字紙によると、最初の事件は十八日夜にバルエリー市で発生。仕事帰りの息子を拘束して家に入った二人組が、金品物色後、父親と息子に発砲して逃走。父親は当日死亡、息子は二十日に脳死となり臓器提供となった他、母親もショックで心筋梗塞を起こし、二十日に死亡という事件だ。
 犯人の一人は息子の元仕事仲間で、三カ月前の車窃盗未遂の容疑者でもある。父親が商売人なら金庫がある筈と考えていたらしく、当日も父親と息子を寝室に連行し、金庫の所在を尋ねた様だ。
 ところが、家には金庫は無く、宝石や現金などを物色し終えた犯人は、父親のジョアン・ドス・ラーモス・ピーレスさんと、息子でモトボーイのパブロ・パトリッキ・ダ・シウヴァさんに発砲してから逃走。別室に閉じ込められていたマリア・エンカルナッソン・ベネジッタ・ダ・シウヴァさんは犯人逃走後、倒れている夫と息子を発見し、警察に通報した。
 マリアさんは夫死亡後の十九日朝、不調を訴え始め、夫の埋葬出席と警察での容疑者確認(二人の内一人)後、呼吸困難と心筋梗塞で二一時に死亡。息子のパブロさんの脳死は二二時に発表された。臓器提供は姉のジャケリーネさんが本人の意思として承認した。
 一方、十九日夜の事件はリオ・クラ―ロ市のコンドミニアムで発生。高圧電線を張った塀を乗り越えた二人組が、八歳の双子と子守り一人がいた家に侵入したものだ。
 金品物色後に鳴り始めた警報機に驚いた犯人は、恐怖でスイッチも切れない子守りに立腹し、ガブリエラちゃんに発砲。裏口から逃げた後、コンドミニアムの外で車を奪い、犯行を重ねた。
 一方、頭部に被弾し現地病院に運ばれたガブリエラちゃんは、二十日にはサンパウロ市の病院で再手術を受けたが、G1サイトが二十一日午前中に脳死判定されたと報じている。
 同市の第1四半期の窃盗事件は前年比三一%増など、銃規制がなかなか効を奏さず増加傾向にある強盗殺人事件。家族や地域住民らもショックを隠し切れずに居る。