ネイチャー誌=トゥッピーが大気汚染=岩塩層下開発は時代に逆行
ニッケイ新聞 2009年5月26日付け
石油資源の枯渇は、まだ先のこととネイチャー誌五月号が発表と二十五日付けエスタード紙が報じた。しかし、地球温暖化を防ぐためには、発見済みの原油や石炭、ガスなどの埋蔵エネルギー(化石燃料)燃焼を四分の一以下に抑えなくてはならないと警告した。
原油の埋蔵在庫は十分あるが、大気中に炭素を蓄積しない再生可能な代替燃料の開発は急務を要する。同誌は巨万の資金を投じて岩塩層下から原油を採掘しても、世界の温暖化防止努力に逆行するようなものという。
サントス沖大陸棚のトゥッピー油田に埋蔵される原油は、五十億から八十億バレルといわれる。もしも、五十億バレルの原油全てを燃料に加工して消費すると、二十一億トンの二酸化炭素が大気中に放出される。
トゥッピーに続き発見されたイアラ油田は、採算ベースに乗ることが確認され、埋蔵量は四十億バレル。排出する二酸化炭素は十七億トン。
原油の九〇%は燃料に精製され、一〇%は石油化学へ回る。ブラジルはプラスチックの需要が多いので一〇%以上が石油化学へ回る可能性がある。プラスチックなどの化学製品は、炭素を製品の中に含有できる利点もある。
石油関係の専門家は異口同音に、ブラジルの石油消費が急増しているので岩塩層下油田の管理で圧力に屈するなという。岩塩層下への投資が時代逆行ならば、燃料消費のために重油を輸入することになりそうだ。
岩塩層下で騒ぐあまり、再生可能エネルギー開発も忘れてはならない。岩塩層下で稼いだ資金の一部を、再生可能エネルギー開発へ回すのも一案だと関係者がいう。
ブラジルは現在、エネルギーの四五%を水力発電やバイオマスで補っている。そして炭酸ガス排出が少ない太陽光や風力の利用は、ごく僅かに留まっている。