ニッケイ新聞 2009年5月26日付け
このところ日本の寝台列車が次々と廃線に追い込まれている。東京と九州の博多まで走っていた人気の寝台特急「富士・はやぶさ」や東京から島根への「出雲」もだし、東京と大阪を結ぶ「銀河」も悲劇的な末路を歩んだのは哀しい。それもこれも高速な新幹線や飛行機に乗客が奪われたからであり、さすがの名物鉄道も「速さ」には勝てない▼それでも、東京から青函トンネルを通り札幌に突進する「北斗星」。日本一の長距離旅客列車の大阪―札幌を突き抜ける寝台列車は超人気で客が絶えない。大阪駅からは1500キロ超を延々と走る贅沢な列車「トワイライト(黄昏・夕暮)」という臨時便までがあり、華麗に着飾った紳士淑女がしずしずと客室に乗り組むのだそうな▼まあ、そうは言ってもー南アフリカの「ロボスレイル」の豪華さには及ばないだろうけれども、この「黄昏号」はちょっと破目を外して豪勢な雰囲気を楽しむ。そんな暖かい気分が一杯のお客さんに違いない。食堂車の料理も美味そうだし、寝室も立派で素晴らしい。料金もかなり高く、学生らには無理だろうし、中級の上クラスの人たちが利用するらしく真にいい趣味である▼日本の鉄道もこのように明暗取り混ぜてはいるが、日本列島を走る新幹線の技術力は高い。台湾にも輸出したし、リオーサンパウロの鉄道にもと三井物産などが売り込みに懸命である。アメリカも興味を深くし運輸長官が訪日し視察を望んでいる。数日前にはカサビ市長がモノレールに感動し是非とも導入?したいと語ったとかで話題にと、日本の鉄道もなかなかのものなのである。 (遯)