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保健プラン=高等裁が負担制限を認めず=治療不足分は訴訟で=保健契約書は治癒保証書=難病治療費は誰が払うか

ニッケイ新聞 2009年5月27日付け

 高等裁判所(STJ)は二十五日、保健プランが病気治癒のためにあるもので、治療負担額を制限しないで治療範囲も無制限とし、制限額超過の故の治療放棄を認めないとする見解を示したと、二十六日付けエスタード紙が報じた。これは一患者が一九九六年、サマリターノ病院UTI(集中治療室)で一カ月間の治療を受け、保健プランが経費の全額負担を拒否したことで、患者の家族が起こした訴訟に対する高等裁の判決だ。これからは、治療費用の不足額を裁判に訴えるケースが予想される。

 STJは、保健プランが治療費の負担額や治療範囲を制限してはならないと表明した。高等裁判事の説明によれば、費用や治療範囲の制限は患者にとって快癒を目前に治療を断念する致命的な問題だという。
 一九九九年一月以前に契約を結んだ保健プラン契約者は現在、全契約者三千七百万人の二〇%といわれる。以前の保健契約は全額負担ではなく、二千八百九十五サンパウロ州税単位(現時点で約四万五千八百レアル)までの部分負担とされていた。
 同判決は、他の患者にも異議申し立てができるように応用解釈の余裕を持たせたもの。以前の保健プラン契約書に記された治療と期間制限を、保健プラン会社による権利の乱用と高等裁は見なした。高等裁は二〇〇四年にも、この期間制限に拒絶判決を下していた。
 同拒絶判決の担当判事であるアウミール・パッサリニョ判事は、疾患回復に期間と費用の制限を設定するのは、法の精神で認められないという。従って期間と治療範囲を制限する一文が、保健プラン契約書を空文化するという高等裁の見解だ。保健プラン契約書は、契約者の病気治癒を保証するものという見方だ。
 しかし、難病の完治までにどの位の費用がかかり、誰が無制限にそれを負担してくれるのか。高等裁判決は、契約者の弁護士と保健プラン会社の間に折衝の場をつくることになりそうだ。
 一九九八年までの保健プランは、部分負担を前提に生まれたものであるため、高等裁判決で新たな訴訟が頻発する。プラン契約者の弁護士は、以前のプラン契約適用を受け、治療費用の不足分は裁判に訴えて精算するように知恵をつける。
 保健プラン会社は、五万レアル以下の部分負担が認められず全額負担となるなら、再保険の道を選ぶことになる。以前の保健契約者の存命中は高等裁判決を甘受するか、新たな道を模索するしかないようだ。