ニッケイ新聞 2009年5月27日付け
毎年いくつかの県人会式典に母県から知事ら訪問団が訪れるが、地方財政逼迫の折、公金支出に対する地元の目も厳しくなっているようだ。次第に滞在期間は短く、日程も簡略化されつつある。
もちろん最大の目的は、式典出席と県人・県系人との交流。ただ、倹約精神のあまり、観光すらなくトンボ帰り、となると、これは寂しい話。県人会の人からそうした事情を聞くと、少々行き過ぎではないかと思う。
物見遊山では困るが、折角のブラジル訪問。世界的観光地リオ、イグアス、農業・資源大国の姿をその目で見ることで新しい発想が生まれ、それを地元の観光、産業に生かしてこそ「視察」ではないか。また華やかさだけでなく、貧困の現実まで知ることで、新興国ブラジルのより深い理解に繋がるのではないか。
今年も各県から訪問団が訪れる。実のある滞在になってほしいものだ。 (ま)