4月は外資大量流入=直接投資、金融ともに好調
ニッケイ新聞 2009年5月28日付け
中央銀行は二十六日、第1四半期を終えても市場はまだ不確定要因に閉ざされる中、国外投資家がブラジルの生産経済と金融経済に、金融危機悪化以前の九月水準で投資攻勢を戻したと発表したことを二十七日付けフォーリャ紙が報じた。
外資が四月、企業買収または既進出企業の事業拡張で直接投資に投じた額は、前月比倍増の三十四億九百万ドル。しかし、四カ月の累計では、昨年の八十七億五千百万ドルに比べ三一%減。五月は二十六日までに、二十五億ドルが入った。
金融市場は、弾みがついている。四月の流入投資額は、六億三千万ドル。五月は二十六日までに、二十三億六千五百万ドル。月末までに特別な流失がなければ、昨年四月以来で「大入り最高の五月」となる。
確定利付き市場でも、外資の帰還が確認できる。四月の流入が六千六百万ドルであったのに対し、五月は二十六日現在で八億千百万ドルとうなぎ上りだ。投資銀行筋は、この流れがしばらく続くと見ている。
ブラジル市場が安定市場として見込まれたもので、高金利に釣られたものではないようだ。金利に釣られるなら、確定利付きへ津波のように資金が流れるはずだ。しかし、それはない。
直接投資も四月水準とはいかないが、年末までは安定する。生産部門へ四月、三十四億ドルが投じられたことに中銀が驚いた。直接投資の傾向は前年度比より少ないが、毎月二十億ドルから二十五億ドルが入ると関係者が見ている。
拡張計画の実施を始めた企業は、それを中断することができないので追加投資は行なわれる。ブラジルの株式投資と確定利付き投資は、長期にわたって注目の的になると関係者は見ている。
証券市場はほぼ原状復帰し、政策金利は病人の服用薬を暫時減らすように、やがて年九%を切ると見ている。それでも世界から魅力ある投資の一つと、見られている。