ニッケイ新聞 2009年5月30日付け
除草剤グリフォサットに強い遺伝子組み替え(GM)大豆RR(ランダップ・リーディ)の種子が一九九五年、亜国から南リオ・グランデ州に密輸されて以来定着し、同州産大豆の九九%を占めていると二十八日付けヴァロール紙が報じた。
今収穫期は、七百七十万トンと予想される大豆生産だが、もはや在来種を指定する買い付け人もいないと仲買人はいう。〇四年まで、暫定令による違反通告を以ってGM大豆生産者を処罰するよう圧力をかけた政府も何も言わなくなっている。
GM生産者の言い分は、九・八%のコスト削減の可能性だった。現在はコスト削減幅が縮小し、ロイヤルティ支払い問題もあるが、GM種は栽培が容易なため、生産を伸ばしてきたようだ。
しかし、出荷に際し在来種とGMを分離する物流設備がないので国際市場への輸出は困難。それに在来種の証明書を出す官公庁がない。さらには農機具まで、別々にしなければならない。
そのため、在来種とGM種の分離生産・販売を諦めた商社は、食品加工用の副原料生産を行う、ブンゲとドゥッポン合弁のソラエへ売却し始めた。ここでも在来種証明書を求める地域への輸出問題は起き始めている。