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伯・パから神戸へ28万レ=旧移住センター改修募金=澁谷伯カワサキ社長=「皆さんの協力に感謝」

ニッケイ新聞 2009年5月30日付け

 多くの移住者が日本最後の数日間を過ごした旧神戸移住センター。神戸市が中心となって同センターを「海外移住と文化の交流センター」として改修・再整備する事業に対し、ブラジル側に呼びかけられていた募金がこのほど締め切られた。ブラジルのほか、パラグアイからも寄せられた寄付は計約二十八万レアル。当初の目標額二千万円には及ばなかったが、個人・団体からの多数の寄付に対し、ブラジル側で連絡役をつとめた澁谷吉雄カワサキ・ド・ブラジル社長は喜びと感謝のコメントを寄せた。

 六月三日に開館予定の「海外移住と文化の交流センター」(神戸市中央区)への寄付金は、昨年来伯した西村正日伯協会理事長(同協力委員会委員長)がブラジル側に呼びかけ。同センターに設置が計画されている在日ブラジル人や中南米の日系人を対象にした教育設備に充てられるものとして、昨年末から募金運動が本格化していた。
 ブラジル側ではカワサキ社ほか県連、文協、百周年協会が窓口となって募金を受け付けた。県連では五月二十八日現在で六百三十五の個人・団体・企業などから六万七千四十レアルが集まり、同日文協ビルで開かれた代表者会議の席上、本橋幹久副会長から澁谷社長に手渡された。
 県連が受け付けた寄付金には、沖縄県人会(二千レアル)など各県人会、南米産業開発青年隊協会、日本海外学生移住連盟ブラジルOB会などサンパウロ市にある各団体だけでなく、パナソニック・ド・ブラジル、モトベル重機販売、ヤンコール山本商会、岡島農工商亊、ホテル&レストランセンタロウスなどの企業、マナウスの西部アマゾン日伯協会、エフィジェニオ・デ・サーレス自治会など地方団体からのものもあった。
 文協、百周年協会で受け付けた募金額は、今月十三日現在で四万三千五百三十五レアルに上った。
 澁谷社長によれば、そのほか、リオの日系四団体から一万レ、パラナの日系団体から二万九千レ、パラグアイ日本人会連合会から二万五千レ、またヤンマー・ド・ブラジル社長、ブラジル日本商工会議所会頭などを務めた後藤隆さん(現商議所顧問)から五百万円の寄付があり、合計約二十八万レアルの寄付が集まった。
 澁谷社長はニッケイ新聞の取材に対し、「目標額に近づき、みなさんの協力に感謝する。昨年暮れにはほとんど集まっていなかったので驚き慌てたが、これだけ集まって大変良かった」と感想を語った。
 改修落成後の同センター内には、寄付者、または寄付者が希望する氏名が刻まれる。なお県連からは、園田昭憲副会長が落成式典に出席する。