ニッケイ新聞 2009年5月30日付け
だるま塾(森脇禮之塾長)は二十四日、恒例のピッコ・デ・ジャラグアへ登る二十キロ遠足「歩けば楽しい」を開催した。今年で二十八回目。
集まったメンバーはだるま塾生とそのOB、ブラジル日本交流協会の研修生などを含む二十人程。ひんやりとした朝の乾いた空気の中、午前七時にラッパ区のだるま塾前を出発した。
途中、塾から山麓まで十キロの間に、リベルダーデ歩こう会のメンバーらが次々と合流し、山麓の登山道入り口に着いた時には約四十人になっていた。中には非日系のブラジル人の姿も。
メンバー同士、初対面の人も多かったが、互いに自己紹介から始まり、一緒に歩いているうちにあちこちで話に華が咲き、和やかな雰囲気で登山を楽しんでいた。
山麓を午前十時頃出発。石畳が敷かれた急坂を登り終えると、木の根が剥き出しになっている山道に変わった。サンパウロ市内とは思えない程山の中は木々で生い茂り、途中猿の家族に遭遇。木から木へ飛び回り、参加者達は思わぬ出会いに歓声を上げていた。
それぞれのペースで登り、途中休憩をしながらメンバー全員が約一時間半で登頂。早速疲れた体を癒すように、冷えたビールや飲み物が振舞われ、参加者全員で乾杯をした。その後は芝生にシートを敷いて、参加者はだるま塾生らが作ったおにぎりや漬物、各自が持ち寄ったおかずやケーキを美味しそうに食べていた。
「元々は塾生と父兄を対象に」始まったピッコ登山。森脇塾長は「クルマで行けるピッコだが、山頂だけを味わうのではなく、歩いて自然の良さを感じて欲しいから」と長年続けてきた思いを語る。
塾生でパラグアイに日本語教師として派遣され、今年参加二回目の小林杏奈さん(22、新潟)。「バスで十八時間かけて来た」という。「皆さんと会えるのと、弁当が楽しみ。山頂で飲むビールは最高です」と語った。
一息着くと、森脇塾長から手作りの完歩記念ワッペンが参加者に配られ、早速胸につける人も。その後は昼寝をする人、遊びまわる人、二百数段の階段を上り、展望台まで行く人など、それぞれの時間を過ごした。展望台まで行くとサンパウロ市内が一望でき、三六〇度の大パノラマと清々しい秋風を楽しんでいた。
午後二時、展望台を背後に記念撮影し、約一時間かけて下山。山麓では全員集合した後、それぞれ挨拶を交わし帰途についた。