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ダッタフォーリャ調査=連邦令改定で世論2分=続投は政府の伏線=官房長官の癌と政権維持=夢は幻か現実となるか

ニッケイ新聞 2009年6月2日付け

 ダッタフォーリャ調査は五月三十日、ルーラ大統領の第三期立候補を認める連邦令改定を審議するなら、支持する者が四七%、拒否する者が四九%でほぼ二分と発表したことを同月三十一日付けフォーリャ紙が報じた。〇七年十一月に同様の調査を行なったときには、支持三一%拒否六五%であったから、大統領支持は好調のようだ。また同調査でロウセフ官房長官が五%上げ一六%に、セーラサンパウロ州知事が三%下げ三八%となり、差を八%に縮めている。

 大統領の第三期続投を認める連邦令改定に関し、世論は二分していることが調査で判明した。調査は五月二十六日と二十八日に行なわれ、もしも第三期立候補が許され本日投票が行なわれるなら、ルーラ四七%にセーラ二五%で、一回目の投票での当選の可能性すら予想されている。
 大統領と知事、市長の三期続投は上下両院で審議され、五分の三以上の賛成票で承認される。同案については五月二十八日、ジャクソン・バレット下議(PMDB=民主運動党)が九月に国民投票を行い、認められるなら、議会で審議することを上程した。
 同下議案は当時百八十三議員の支持を得たが、その後百七十議員に減り、上程に必要な数を割った。同下議は再度、上程に挑むらしい。それには時間が、三カ月と十日間に迫っている。
 ルーラ大統領の政権評価は六九%で、第三期続投支持の四七%を二二%上回っている。しかし、ルーラ政権を評価するが第三期続投には反対が三七%あり、ルーラ支持者の三〇%は続投に反対している。
 ダッタフォーリャ調査で二最低賃金以下と義務教育クラスの五三%は、ルーラ大統領に好感を抱いているのが判明した。逆に続投拒否は、十最低賃金以上の高額所得者の場合は六七%、高学歴者なら六八%にものぼる。
 北東部では六〇%が、連邦令改定に賛成。南部は五六%が反対。南東部は五四%が反対、四三%が賛成。北部と中央西部は五一%が反対、四三%が賛成であった。
 官房長官の癌治療は未知数となって選挙運動に影響を及ぼすので、大統領府は政権維持のために第三期続投の幻を大切に守る必要がありそうだ。世論二分は、どっちにしても軽視できない。
 「貧乏人の父、金持ちの母」(貧困階級に人気が根強いルーラ、PACなどの国家計画推進者ジウマの比喩)を掲げている大統領だが、現時点での三選には本人も乗り気ではない。またこの連邦令改定に対し、「国民の支持があれば何でもできるご都合主義であり、忸怩たるものがある」という識者の見方もある。