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南米安田50周年記念式典=損保ジャパンから佐藤社長=「新たな歴史つくりたい」

ニッケイ新聞 2009年6月6日付け

 損害保険ジャパン(佐藤正敏取締役社長)のグループ会社南米安田保険(米倉立二郎取締役社長)は、創業五十周年を記念し、三日午後七時半からサンパウロ市イタイン区のカーザ・ファザーノで記念式典を開催。業界関係者ら約二百四十人が出席した。
 損保ジャパン本社からは佐藤社長、大岩武史取締役常務執行役員、奥村幹夫経営企画部課長、南米安田社から米倉社長、ワタナベ・エジソン取締役副社長、土村学取締役、キタノ・ジェンチル取締役、西田明弘氏らが出席。
 そのほか、大部一秋在サンパウロ日本国総領事、田中信ブラジル日本商工会議所会頭、ブラジル保険監督庁(SUSEP)のワルデミール・バルジエリ氏、ブラジル保険会社代表者らが出席した。
 佐藤社長は挨拶の中で「ブラジルでもお客様第一の経営理念を掲げ、選ばれる保険会社を目指していく。ブラジルで損保ジャパンの活動を拡大し、新たな歴史をつくりたい」と話した。
 米倉社長は「最大のチャンスを掴み、最大の進歩をとげたい。より良いサービスの開発、提供に努めていく」と意気込みを語った。
 式典後は、MPBのエルバ・ラマーリョによるショーが行われた。
 今回のブラジル保険会社マリチマ・セグーロス社への損保ジャパングループによる投資は、銀行系保険会社に買収される可能性があったマリチマ社が独立系保険会社によって介入されたということもあり、ブラジル業界側で肯定的に捉えられている。
 サンパウロ州ブローカー組合も高く評価。損保ジャパンが南米安田社を通して株式を取得したという提携形式もあり、マリチマ社従業員も、事業が拡大できるという利点から全体では今件を肯定的に受け入れているという。
 式典にはブラジルメディアから、日刊経済紙ヴァロール・エコノミコや業界紙関係者らが詰めかけた。ブラジルメディア側は、なぜこの経済危機の中ブラジルに投資を決意したのか、今後のマリチマ社の経営・運営形態への関心が高いようだ。
 マリチマ社の常任理事として期待されるのは損保ジャパンの奥村課長。奥村氏は筑波大学体育専門学群在学中、日本ブラジル交流協会を通し十九八七年にサッカー留学で初来伯。チーム・ジュベントスでプレーしていたという経歴を持つ。
 損保ジャパンに入社後、駐在員として二度目の来伯。九三年から九七年まで南米安田で勤務し、その後再度本社勤務を経て今回の来伯となる。
 奥村課長は「マリチマ社の歴史を尊重しながらも次の五十年で新しいマリチマ社に育てたい。日本とブラジルの掛け橋になれば」と語った。