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最初の遺体の検死始まる=〃残骸の海〃で捜索は難航=潜水艦到着待ち海底探索も

ニッケイ新聞 2009年6月10日付け

 【既報関連】エールフランス事故機の搭乗者の遺体一六体が、九日午前フェルナンド・デ・ノローニャ島に到着し、検死作業が開始された。また、八日~九日も二五体回収など、現場海域では遺体の捜索、回収作業が続けられている。
 九日付伯字紙やG1サイトなどによると、八時前にフェルナンド・デ・ノローニャを飛び立った二機のヘリコプターが、海軍のフリゲート艦から受取った遺体は、約二時間後に同島まで運ばれ、検死作業が開始された。
 遺体は同島で検死後、レシフェに運ばれて身元確認に入るが、八日に八体、九日にも一七体と、遺体回収作業は継続中。現場付近は〃残骸の海〃と言われるほど残骸が散らばっているが、伯軍では遺体回収を残骸回収より優先しており、残骸を掻き分けながらの遺体捜索、回収作業には困難も伴っている。
 一方、連邦警察は八日に遺族からのDNA情報収集を終えたが、検死官は、二八~三〇度の海水に数日曝されていた遺体の場合、身元確認は火災などより困難だという。
 また、八日、九日の遺体回収現場はレシフェから一三五〇キロの地点まで広がっており、海流に流された遺体や残骸の捜索区域は十日にはセネガル領にも入るなど、時間と共に拡大されている。
 一方、ブラックボックス回収作業は、十日の仏軍の原子力潜水艦や十一日の海底探索機(腕付小型潜水艦)とロボット二機の到着後に開始予定。米海軍も八日、六〇〇〇メートルまで沈んだ物体の信号を捕らえられる機材二機を発送している。
 現場付近の水深は三五〇〇メートル程度とされているが、ブラックボックス装着の信号発信機は三〇日しか機能せず、発見は時間との戦いだ。
 なお、エールフランス社操縦士達が八日、機体外部の速度センサー(ピトットまたは静的ピトー管)交換終了まで、就航拒否と言い始め、同社便の運行にも影響が出そうだ。TAM機のセンサーは交換済みというが、伯空軍は同日、大統領専用機のセンサーは旧式で交換を検討中と発表した。
 軍関係者や検死官、捜査官の行き来でフェルナンド・デ・ノローニャの空港施設なども収容能力を超えようとしている。