ニッケイ新聞 2009年6月10日付け
エールフランス機事故では、伯、仏プラス米国で捜索活動中だが、遺体の身元確認作業にはインターポール(国際刑事警察機構)も加わるという。被害者の国籍も多岐にわたることから言えば当然か。遺体が見つからないと基本的に死亡証明が出ないブラジルでは、遺体回収は最後の一体までとの言葉が切実だ。
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八日にサンパウロ市で行われた教育相とサンパウロ州教育局長(元教育相)の公開討論は、現場教師も集まり、満員だった。教師育成問題が多くの人の関心事である証拠でもあるが、教育学部生は理論や歴史には強くても、教育内容の知識が不十分な可能性ありとの指摘は、大学卒の肩書きだけでは不十分との言い分が良くわかる発言だ。優秀校の教師はそれなりの高給取りとの報道や、教師への賞与が教師の欠席率低下や授業の質向上に繋がった例など、教師養成や育成の必要も痛感させられる。子供や教育へのビタミンI(愛)もお忘れなく。
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サンパウロ州サンタクルース・ド・リオ・パルドのノッサ・カイシャでカード偽造による現金引出しや振替送金が発覚。五日から届けが出始め、八日現在の被害届は一〇〇件超、被害額も一〇万レアルに達したが、被害は更に拡大する見込み。また、サンパウロ市ヴィラ・レーのブラジル銀行では八日未明、黒覆面で小銃を持った強盗団が現金引出機二機を盗んだ。防犯カメラ映像から三人が逮捕され、サンパウロ市南部をアジトとする一味と判明。サンパウロ州やパラナで強盗を繰り返す一味は、四月にはABD地区で警察車両を襲い、軍警二人を殺害しており、次の目標はフォス・ド・イグアス。小銃で脅され、現金引出機を担がされた通りがかりのバス乗客はいい迷惑だ。不況時は銀行強盗や詐欺が横行する?