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「百年の水流」ポ語版刊行=著者外山氏「コロニアの歴史知って」

ニッケイ新聞 2009年6月10日付け

 二〇〇六年に刊行され、二千五百部を販売、コロニアのベストセラーとなった『百年の水流』(外山脩著)のポルトガル語版「Cem anos de aguas corridas da comunidade japonesa」(三千部、翻訳・林慎太郎、六百頁)が五月末に刊行された。
 日系各書店、ブラジル日本移民史料館、サンパウロ人文科学研究所で販売されている。四十八レアル。
 コチア、スールの崩壊、南銀の買収、勝ち負け抗争などコロニアに起こった大事件を主軸に、百年のコロニアの歴史を追い、取材に十年の歳月を費やした作品だ。〇七年コロニア文芸賞受賞。
 出版当時から、「ポルトガル語版を出すべきとの多くの声があった」(外山氏)ことを受け、〇七年から翻訳作業を進めてきた。
 国際交流基金、続木善夫氏らも協力、編集面でも支援した永山六郎氏は、「移住五十年の節目に後世に残る仕事をしたかった」という。
 「昨年の百周年が当初の刊行予定だったが、何とか出版することができた」と安堵の表情を見せる外山さんは、「二、三世、非日系の人に読んでもらい、コロニアの歴史を知ってほしい」と話している。