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産業開発省=技術革新局を新設=30日以内に発足へ=開発に拍車かける=BNDESの特別融資も

ニッケイ新聞 2009年6月11日付け

 産業開発省は、工業技術局の代わりに技術革新局を新設して、工業技術の革新を強化することにしていると十日付けアジェンシア・サフラが報じた。新しい部署の開設は、十日まで南大河州都ポルト・アレグレで開催された全伯企業開発調査協会の第九回会議で、工業技術局のマルコス・V・ソウザ補佐官が言及したもので、三十日以内に発足するという。同補佐官は、技術革新の開発資金融資に関して、二週間以内にBNDES(社会開発銀行)カードの発行を新しく行うと言明した。このカードは、革新的な技術開発をする年商六千万レアル以下の企業に対し、年利一%、四十八回払いの好条件で融資するものだ。

 「ブラジルには、投資に値する革新技術開発プロジェクトが幾つもあり、この発表は時宜を得たもの」と同調査協会のカルロス・カウマノヴィッチ副会長は高く評価した。
 また、同会議では、 以下のような革新的技術開発が勧められていることが公表された。
 イラニ・セルロース社が開発した植物繊維による炭酸ガスの中和は、京都議定書で定めた地球温暖化防止協定に従った、カーボン・クレジットを利用したもので、債務国が債権国になれるような世界初の構想だ。これは、国連のお墨付きプロジェクトでもある。
 同じようにサトウキビ栽培によって独自の温暖化防止プロジェクトを開発し、国際的に認められているM・デジーニ社の技術と方式も、持続可能な手段と考えられている。
 M・デジーニ方式は、新しいタイプの砂糖精製所とエタノール精製所の概念を提案。より少ない原料投入による排出ガスの削減と安全優先の機械設備による人間に無害な環境を提供することを提案している。
 自動車の分野では、フィアット社が、マット・グロッソ州ベッチン工場で開発しているコンセプトカーFCCIIを発表した。公害の出ない、再利用可能で代替的な理想の移動方式であり、エンジンはイオン・リチウム電池バッテリー九十三個を搭載し、自宅で充電ができる。一回の充電による走行距離百キロメートルの電気自動車だ。
 この自動車には多種類の革新的技術が搭載され、市販を待っている。自動変速器は、段階的にロックする二重方式。車体は環境に配慮した自然素材を使用。部品は、ナノテクを応用した軽くて頑丈なものを用いた。
 特別なグラスファイバーを使うなど、肌に優しい素材を利用した車両が発する超長波遠赤外線は、人体の健康に効果をもたらすと考えられている。