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不況対策案を発表=工作機械、ソフト、造船振興で

ニッケイ新聞 2009年6月11日付け

 ブラジル経済が「不況」の烙印を押されたことでマンテガ財務相は九日、有望業種の振興に集中し、〇九年度GDP(国内総生産)を挽回する方針を表明と十日付けフォーリャ紙が報じた。
 財務相の懸案にあるのは、資本財工業とソフトウエア、造船など。この業種は、第3四半期から重要度が増すと財務相が見ている。経済成長を回復するために技術革新と人材養成を要する工作機械への投資は、発展の必須条件だとしている。
 それに並行して産業の停滞を挽回するため、中央銀行の政策金利引き下げによる協力も必要だとしている。第1四半期でサービス部門が予想より好成績であったことから、第2四半期にGDP成長のハードルを一%から二%へ上げた。
 二期連続のマイナス成長は、通貨政策と財政政策の失策だと述べた。十日発表の新政策金利の決定で、通貨委員会に公共責任を求めるという。現行の政策金利一〇・二五%は、金融市場の情況から見て九・五%が妥当だと財務相は見る。
 政府は減税による景気刺激策を採らず、集中的な奨励策を採る考えを示唆した。減税政策は、増収への道を自ら断つ消極的政策だとした。例えば、資本財工業は工作機械を購入する基金を設置し、産業振興に努める道があるのだ。
 機械購入者の債務不履行リスクについては、政府が何らかの形で負担する。工作機械の購入基金は九日、暫定令が発令され、購入費を長期払いとし債務不履行を減らす方策を講じた。
 人海戦術を展開するソフトウエア分野は、人件費に対する引当金で手心を加える。輸出されたソフトウエアや通信機器、それに対するサービスに関して税を免除。岩塩層下の油田開発向け造船は、税制恩典を供与。
 ルーラ大統領は、二期連続マイナス成長の報に接し、土木建築と自動車、アグリビジネス三部門の現況報告を求めた。特に同三部門の落ち込みを避けるため、財政支援とローン供与に万全を期することを強要した。