ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 砂嵐が北伯に大雨を=大西洋岸と熱帯雨林に影響

砂嵐が北伯に大雨を=大西洋岸と熱帯雨林に影響

ニッケイ新聞 2009年6月11日付け

 科学誌「ネーチャー・ジオサイエンス」五月号は、サハラ砂漠の砂嵐が大西洋を横断し、アマゾンなどの熱帯雨林に直接、予想外の降雨をもたらしたとする調査結果を発表と十日付けエスタード紙が報じた。
 砂嵐は毎年二月から四月、サハラ砂漠上空に上り、アフリカ大陸から大西洋へ移動、南米大陸へ上陸する。そのため大西洋沿岸に異常気象と生態系の変化をもたらすという。だが亜熱帯地方の気候変化に就いて関心を示す者は少ない。
 同調査に参加したサンパウロ大学(USP)のパウロ・アルタッショ教授は「サハラ砂漠の砂は一八キロメートルの上空で氷結。同砂は大量の鉄分や燐分を含み、凝結剤となる。アマゾンに降る雨の九〇%が、この氷結が溶けたもの」という。
 砂嵐による気候の変化は、まだ研究中。しかし、サハラ砂漠は今後さらに乾燥し、これまでの予測とは反対にアマゾンや太平洋岸に降雨をもたらすと観測している。