ニッケイ新聞 2009年6月13日付け
科学技術省は十日、世界のバイオ燃料競争に遅れをとらないためバイオエタノール技術センターをカンピーナスに設立し、九月から研究を開始する意向と十一日付けフォーリャ紙が報じた。
第二世代アルコールの研究は、米国が一頭地先んじている。センター設置の目的は、十年以内に繊維アルコール生産を商業ベースに乗せること。今まで捨てていたサトウキビの絞りカスや草、やトウモロコシの枯葉を、バイオエタノールの原料として利用するためだ。
米国は二〇一三年までに十億ドルを投じて、バイオエタノール精製所を九カ所稼動させる予定。ブラジルは二〇一〇年、連邦政府や州政府が交代するので予算計画は不明だが、科学技術省は六千九百万レアルを投じて、サトウキビの細胞壁破壊に挑戦する。
サトウキビの繊維は、細胞壁を破壊しないと発酵しないので、採算のとれる酵素を模索している。
どの国が先鞭をつけるかは別として、繊維エタノールは三年ないし四年で商業規模生産に至ると見られている。