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農業関連の和議続出=金融危機直撃で瀕死の重傷

ニッケイ新聞 2009年6月16日付け

 銀行業務サービス会社(Serasa)は十三日、アグリビジネス関係企業が、債権者による債務の強制取り立てを避けるための会社更生法適用の申請で、各業種のうち首位を占めたと発表したことを十四日付けフォーリャ紙が報じた。
 五月末までに同法適用を申請したのは、〇八年の三倍に当る三百社。内訳はと殺精肉業の十八社を始め、農業生産が十一社、エタノール・砂糖が十社など三十九社。三百社の債務総額の半分を、農業関連が占めた。
 これらの企業は、〇八年中ごろまで、コモディティ・ブームで我が世の春を謳歌。金融危機で大きく躓いた国々が、輸出先であったのは不運であった。その上、為替のヘッジでも損をした。
 同令が制定された〇五年、ヴァリグ航空が適用申請第一号となった。これまでの適用は、大企業救済が専らであった。それが今回は、債務率で僅か五%に過ぎない小零細企業百八十一社が申請。
 安易に会社更生法適用といっても、簡単ではない。債権者との間で交渉に当る専門家が食い物にする。手塩にかけて育てた自分の会社を、経営者は手遅れと思っても簡単に潰させない。それでも立ち直るというのは、奇跡に等しい。