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ルーラ=EU移民排斥を糾弾=責任者でない者に責任転嫁

ニッケイ新聞 2009年6月17日付け

 ジュネーブで開催された国際労働機構(ILO)会議でルーラ大統領は十五日、EU議会の右翼政党による移民差別キャンペーンを厳しく非難と十六日付けエスタード紙が報じた。
 「移民は金融危機を引起こした責任者ではないし、貧乏人がEU混乱の元凶ではない」と糾弾した。金融危機を引起こしたのは先進国であるのに、失業の責任者かのように移民排斥が過激化していることを非難した。右翼政党は外国人排斥で失業を阻止し、選挙運動の点数稼ぎに利用しようとしていると報告。
 イタリアではベルスコーニ政権が、労働ビザの発給を停止した。英国では、入国希望者に卒業証書の提示を求めた。スペインは、スペイン人の失業率一八%に対し、移民は四〇%も解雇されている。移民を雇用の安全弁に利用してはならないと大統領は訴えた。
 移民削減を政策にして、今年だけで五千万人の移民労働者を路頭に迷わせたと大統領が発表した。これは金融危機のしわ寄せを、底辺の弱者に押しかぶせたのだと訴え、これが卑劣なグロバリゼーションの隠れた顔であると述べた。
 外国人差別と移民労働者解雇は、金融危機による混乱の生贄にされた。これらの事実を国際社会に知らせ、断固阻止するべきだと国連人道委員会でも大統領は訴えた。
 幾世紀にもわたって理想の政治を謳いあげたが、ラテン・アメリカやアフリカ諸国では惜しいかな下層階級に何ら手を差し伸べることはなかった。先進諸国の指導者は、総てを知っていた。そして途上国の政治に口出しをした。
 しかし、金融危機で混乱している現在、何も知らなかったようにとぼけている。先進国の指導者は、自国に起きた経済の体たらくと矛盾を説明できない。EU諸国はブラジルの理想的な移民政策に見習うべきだ。
 ブラジルは何十万人もの不法移民を合法化したばかりだ。これはEUの移民排斥者が学ぶべき解答であり模範例だ。ブラジルには移民を虐待する労組リーダーはいないと大統領が獅子吼した。

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