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全カラ祭り1千人のにぎわい=文協講堂=日本の指導者、歌手ら迎え=衣装も華やかに230人熱唱

ニッケイ新聞 2009年6月17日付け

 全国カラオケ指導協会ブラジル総本部(島田正市総本部長)は十四日午前八時から、文協大講堂で「第九回ブラジル全カラまつり」を開催した。特設ステージにはめいめいの衣装に身を包んだ参加者が次々と熱唱していた。寒い日曜日にも関わらず、一千人の観客が来場し日本の歌に耳を傾けていた。
 日本から来た全国カラオケ指導協会理事で作曲家の松山翔一さんが総合審査委員長を務め、協会会員など計十七人が来伯。一行にはクラウンレコードの専属歌手、斉藤照美さん、中野米子さん、蛯原勝さんら三人も参加した。
 本祭りには予選会を通過した人ら、百五十五人が出場し、ベテラン、壮年、青年、ポップなどのカテゴリー別に分かれて自慢の喉を披露した。男性も女性も、和装から洋装まで様々な衣装でステージに彩りを添えていた。
 午前中約七十人が歌った後、開会式へ。同協会公認教授の網野弥太郎さんが挨拶し、「協会の指導方針は『人の和』『歌の和』、それらを踏まえた『地域の輪』を指導方針としている。全カラにおける日本文化の伝承と広い普及を喜んでいる」と述べた。
 続いて島田総本部長は「日本とブラジルの全カラが交流を始めて来年で二十年です。これからも全カラを大きくしていきたいので、宜しくお願いします」と挨拶。松山理事は、「歌は生き物です。詩の心を読めば感動を呼びます」と〇六年以来のブラジルに感激をあらわにしていた。
 続いて百周年記念協会の上原幸啓理事長から松山理事に、日本移民百周年への献身に対する感謝状が送られ、サンパウロ市議会からはサンパウロ市名誉市民章、ブラジル紋章協会からグラン・コラール章が羽藤ジョージサンパウロ市議から手渡された。
 午後の部では引き続き、予選を通過した参加者が次々と歌い、後半は指導会員、指導講師、指導教授らも本戦に参加していた。途中、日本から来た全国カラオケ大会指導協会の会員が歌い、その後特別ゲスト歌手の三人が歌った。
 決勝は十六のカテゴリーの優勝者十六人で争われ、カンピーナスのカタオカ・マリナ(青年)さんが優勝した。二位は、アカミネ・マルセイロさん(壮年)、三位はカワイ・カズコさん(指導教授)となった。
 サンパウロ市在住で毎年来ているという清原信子さん(二世)は「予選を通った皆さんの上手な歌が聴くことができた。自分もこれからもっと勉強したい」と語った。
 同協会で指導をしている福本真澄さん(78、大分)は「生徒の方が私より上手になったので歌わない。一所懸命ボケないようにと、指導している。若い人も高齢者も交流し、みんな上手になってほしい」と語った。
 祭りは開会式をはさんで休むことなく続けられ、午後八時、盛況のうちに終了した。