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「ただいま! ブラジル」=中平マリ子さん今年も=6年目の南米ツアー

ニッケイ新聞 2009年6月18日付け

 「ただいま! 日本でも皆さんのことばかり考えてた。また帰ってこれて嬉しい」――。昨年の百周年では百日間の南米滞在で合計九十四回の慈善コンサートを行った、〃ブラキチ〃ならぬ〃コロキチ〃の歌手中平マリ子さんが、今年も来伯。ニッケイ新聞を訪れ、コロニアへあいさつした。
 南米で活動を始めて今年で六年目。「飛行機から赤土の大地が見えはじめたら、『あぁ故郷に帰ってきたな』って胸が熱くなった。不思議ですが自分の家みたい」。十カ月ぶりに満面の笑みを見せた。
 すでに着聖した十一日に日本カントリークラブで、先週末のカンピーナス日本祭りでも二時間半の特別ショーを開き、八月十七日の帰国日まで三十公演以上が詰まっている。
 中平さんの南米での活動は全てボランティア。今回も、昨年同様に自身のCD三千枚を日系福祉団体に寄付した。昨年はその利益が四万レアルにも上った。
 「何故そこまでできるの? ってよく日本の人に聞かれる」というが、「ブラジルは私にとって生きるための原点。みなさんの笑顔で癒され、また頑張ろうというパワーをもらうんです」。
 七十九歳の母芙早恵さんも一緒に再来伯した。七十六歳に初めて来てから四回連続で娘に同行。「高齢者の方が勇気と努力を持って頑張ってこられ、感心しています。海外で同朋がこうして日本の誇りを持ち活躍しているのを知ったことが喜び。私も生きる希望をもらっています」。すっかりコロニアに溶け込み、魅了されたようだ。
 今回引っさげてきた新作CDには、百周年記念曲「歩みつづけた100年」、昨年ブラジル滞在中に生まれた「ありがとう」ほか、パラグアイのピラポ、イグアス、ラパス移住地それぞれの五十周年記念曲も入っている。
 中平さんは日本でも移民の話を紹介するなど、理解普及に努めているという。今回は「ブラジルに届けてね」と老人ホームで折鶴百羽を預かってきた。「ブラジルの話をすると、みんな日本の方も目を爛々と輝かせる。これからも日伯の掛け橋ができれば」と話していた。
 今後は県連日本祭、やすらぎホーム、憩の園などで公演を予定。CD販売も合わせて行う。日本での公演のため一時帰国して再び来伯し、パラグアイでも公演するという。