ニッケイ新聞 2009年6月18日付け
このほど創立五十周年記念DVD「いわて人の絆堅く」を完成させた岩手県人会。このDVDのほか、会の活動を紹介するものも制作中。「一番大変だったのは資金面」と千田曠暁会長は苦笑しつつも、「記念誌は書く人がいないし、読む人も少ない。映像だったらもっと多くの人に親しんでもらえる」。今後このような日系団体が増えるだろうが、記録として記念誌も残して欲しいところ。
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新幹線セミナーの翌日、十七日付けリオ州政府広報は「リオ・サンパウロ市弾丸列車の競走で日本は先頭に立った」との見出しで日本勢の優位性を報じた。さらに「連邦政府は今年中に方式を決定し、二〇一四年のサッカーW杯までにできれば全線、少なくとも一部は開通させる見通し」という。五月五日付け下院通信によればフランス勢(Alstom do Brasil)も同日、下院交通機関委員会の討論会に参加、「リオ・サンパウロ市は可能」と発言した。同記事には「日本勢はすでに昨年四月に下院で議論していた」とある。つまり今回日本勢は二回目の攻勢をかけた。少なくともリオ州は歓迎しているよう。さてサンパウロ州は?
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新幹線関連。昨年九月三日にルーラ大統領が伯字紙の取材に答え、「来年三月までにプロジェクトの入札を終え、二〇一〇年には工事開始、二〇一四年のW杯までに一〇〇%稼動させる」と明言していたが、今現在、正式な入札概要すら発表されていないよう。日本や仏の他に韓国、伊なども売込み中とか。勝算はいかに。
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百周年協会主催の感謝状贈呈式。式次第を見ると、分刻みで進行が企画されており、「なかなか気合が入っているな」と感心。しかし踊りの後、閉幕。それから三十分以上、来場者は待ちぼうけを喰らった。感謝状授与が始まったのは、予定進行表からちょうど一時間遅れ。理想と現実の差は大きい。