ニッケイ新聞 2009年6月19日付け
タッソ・ジェレサッチ上議(PSDB=民主社会党)は十七日、サルネイ上院議長(PMDB=民主運動党)が上院の黙認行為について責任の一端が上院事務局にもあると訴えたことで、八項の収拾案を提案と十八日付けエスタード紙が報じた。同案は、アレシャンドレ・ガジネオ上院事務局長を始めとする上級官僚の即時更迭と一週間以内に代替役員の口頭試問と交代人事を行うなどからなり、PSDBやPMDB、PT(労働者党)、PDT(民主労働党)の上議八人が連署した。
収拾案は一週間と期間を限定する最後通牒的意味合いがあり、更迭される上級官僚らはサルネイ議長を道連れにしない、議長を辞任に追い込まない、上院の綱紀粛正を求めるだけという条件付きであることをゲーラ上議(PSDB)が説明。
同案に署名した一人、ジャルバス・ヴァスコンセロス上議(PMDB)は、議長の事態収拾を期待したが、無為無策で議事進行もできないから有志が収拾を試みたと述べた。「無能振りをさらし不適となった議長が、留まるのか去るのかが今後の課題だ」としている。
上院でもみ消そうとした違法行為は、六百五十件に上る。実質のない勤務に対する時間外手当や禁じられている縁故採用。議長公邸があるのに居住せず、自邸に住まい、居住手当として毎月受給した三千八百レアルなどだ。
上院のスキャンダルが表面化した十六日、サルネイ議長が、自発的に何らかの処分を行うか事務局長の更迭に踏切ると期待したが、優柔不断な議長は何もしなかった。
下院では、実権も実力もないサルネイ上院議長を幽霊呼ばりしている。議会では上院議長が自ら墓穴を掘るか、自力で窮地を抜け出すかと噂していた。テメル下院議長は、上院議長の共犯者扱いを避けるために一定距離を保っていた。
上院事務局長更迭のほかに、ジェレサッチ上議は事務局へ議員と同等に与えている、公用車やテレフォン・カードの供与などの特権剥奪も提案した。これらは、収拾案作成に立ち会った上議八人から提案されたもの。
上院で発覚した公然の秘密行為は、事務局の職員がお膳立てをし、議会の実力者に取り入るための行為であった。一部の上議が、それに乗せられたのだという。それで罰せられるのは要領の悪い者だけで、真相は常に闇に葬られてきたという。