ニッケイ新聞 2009年6月19日付け
日本移民百一周年記念開拓先亡者追悼大法要が、各日系団体の共催により十八日午後一時半からブラジル日本文化福祉協会大講堂で開催され、約五百人が来場した。
釈尊讃仰会会長の伊藤パウロ勉氏による開会の辞、エスペランサ婦人会、仏連コーラス、白樺コーラスによる「道の光」合唱に続き、茶道裏千家、生け花協会、和楽研究美和会による献茶、献花、献灯が行なわれた。
その後、稚児・諸僧・導師が入堂し焼香。導師による三帰依、表白文読上げに続いて、追悼の歌「心静かに」が歌われた。
続いて来賓が追悼の辞を読上げ焼香した。
木多喜八郎文協会長は「困難に耐え、コロニアの発展に貢献した先亡者に敬意と感謝を示し、冥福を祈る。両国の友好と親善に尽力することをご霊前に誓う」と日本語で述べた。
大部一秋・サンパウロ日本国総領事は日伯両国の架け橋となった先駆移民の功績を「ブラジル民が日本を理解する上での貴重な財産」と称え、「受け入れてくれたブラジルとブラジル人に感謝し、発展に寄与した先亡者に追悼の辞を送る」と述べた。
千坂平通・国際協力機構(JICA)聖支所長は「開拓者としての使命を果たし、子弟教育に努めた先亡者に敬意を表す。今後さらに同社会が発展していくこと確信している」と述べた。
与儀昭雄ブラジル日本都道府県人会連合会会長は「開拓先亡者の努力があり今日の我々の社会が存在すること、それを新しい世代にも伝えていかなければ」と話した。
森口イナシオ・サンパウロ日伯援護協会会長は「多くの問題に対処し勝利を得てきた移住者の歴史・日本人の心を伝承していきたい。また、それを導いてくださいますように」と述べ、追悼の辞とした。
読経が始まり、会場は静寂に包まれた。導師を務めた采川道昭ブラジル仏教連合会会長は、「今年も盛大に移民先亡者を弔うことができた。日系社会の発展は世界の発展、人類の発展にも繋がるはず」と挨拶した。
浄土真宗本派本願寺開教総長・松峯慈晄師による法話の後、曹洞宗梅花流、真言宗金剛流、和楽研究美和会によるご詠歌が流れる中、来場者は一人一人焼香し、先人へ思いをはせた。
ブラジル仏教婦人連盟会長・斉藤明子さんにより閉会の挨拶が行われ、今年の法要は終了した。