レイ・セッカ施行1年=交通量増だが死者減少=サンパウロ州は浮いた金で病院建設
ニッケイ新聞 2009年6月20日付け
レイ・セッカ(飲酒運転禁止法)施行から一年経ち、国道の死者は交通量増加にも拘らず減少、サンパウロ州では事故減少で節約できた資金で病院建設などが報じられている。
十七、十八日G1サイトや十九日エスタード紙などによると、〇八年六月二十日から〇九年六月十六日までの国道での事故統計では、全国の死者は二%、死者を伴う事故の発生も三%減少した。
この数字は、同時期の交通量が九・五%、事故が七%、負傷者が四%増えたことからいえば、被害者の出なかった事故が六二%という数字と共に、重大な事故が減少していることを意味する。
死者の減少率は、州毎に差があり、減少率の高かったサンパウロ州では、事故の三・二%増に対し、死者と負傷者は二一%と五・四%の減少を記録した。
これは、検問率などによって生じた差ともいえるが、入院を必要とする負傷者は、〇八年前半から後半にかけ二八・三%減少。歩行中の被害者入院数は三〇%、運転者や同乗者の入院も三六・五%減っているという。
また、レイ・セッカ施行による運転者の態度の変化を表すのが、検問によって飲酒または酒気おび状態と判断された運転者の数の変化だ。
検問を受け、飲酒運転と判断された人の数そのものは、〇八年後半の三八二〇人が〇九年前半には五二八三人と、三八・二%増えているが、これは、呼気中のアルコール量測定器(バフォメトロ)配置数が増え、検問も強化されたため。
バフォメトロの検査を受けた人と飲酒状態と判断された人の割合は、〇八年後半の六人に一人が、〇九年前半には四〇人に一人に減少。少なくとも、国道に入る前の飲酒は減ったといえる。
重大な事故や死者、重傷者の減少は、事故処理や入院、治療にかかる経費節減に繋がるが、サンパウロ州では、大サンパウロ市圏内三〇の病院で〇八年六月十九日から今月初めに対応した交通事故被害者が一八・九%減少し、一七〇〇万レアルの経費が節減出来たため、理学療法など、生活復帰用治療を行う病院新設の予定だ。
リオ州では三月から、全国主要都市でも九日から、飲酒運転撲滅キャンペーン実施中だ。