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辛苦と困難越え礎に=ボリビア日本人移住110周年=サンタクルスで記念式典

ニッケイ新聞 2009年6月23日付け

 【サンタクルス(ボリビア東部)18日共同=名波正晴】ボリビアを公式訪問中の常陸宮ご夫妻は十八日、東部サンタクルスで開かれた日本人移住百十周年記念式典に出席された。常陸宮さまはあいさつで「移住者は過酷な環境の中で開拓の志高く熱帯の密林を切り開いた。辛苦と困難を乗り越え日系社会の礎を築いた」とたたえた。
 皇族の訪問は百周年の一九九九年に天皇家の長女、黒田清子(紀宮)さんが訪れて以来。
 ボリビア側から出席したオルティス上院議長は「日系人の農業分野、食の安全への貢献は大きい」と評価。式典には日系のナガタニ国会議員ら約三百人が参加した。
 一八九九年にペルーに移住した日本人が過酷な農園作業に見切りをつけ、当時ゴム栽培景気にわいていたボリビアを目指して同年九月、約九十人がアンデス山脈を歩いて越えた。戦後はサンタクルス郊外に二カ所の移住地が造られ現在、同国全体で約一万四千人の日系人が暮らしている。
 常陸宮ご夫妻は十九日にボリビアを出発し帰国の途に就いた。