ニッケイ新聞 2009年6月23日付け
関西学院大学の前学長で現在商学部教授を務める平松一夫氏(61、兵庫)が八日、国際会計教育学会(IAAER)、サンパウロ大学(USP)経済学部主催の「国際シンポジウム」に出席するため来伯し、矢沢年員・関西学院同窓会ブラジル支部長、喜多山重男副支部長と共に本紙を訪れた。
平松教授は二〇〇二年から〇七年まで同大学学長を務め、現在は日本会計研究学会、国際会計研究学会、日本社会関連会計学会、日本経営分析学会等に所属。日本の大学から初めてアメリカ会計学会副会長に選出され、今年八月から就任を予定している。
着伯した八日には同大学同窓会のブラジル支部総会に出席した。同支部は現在二十三人で構成され、今年五十周年を迎える。海外に二十ある同窓会支部中、南米では唯一の重要な拠点だという。
その後、九日にUSP経済学部主催の同シンポジウムで、ビジネス教育とその未来について講演。十日から十二日にかけて、USPで開催された「国際会計教育学会」の全課程に出席し、会計学分野での共同研究について講演した。ストライキが懸念されていたが、同日程無事に行われた。
メソジスト派のキリスト教の流れを汲む関西学院大学は、一八八九年にアメリカ人の宣教師リバレンド・W・R・ランバス氏によって創始された。同宣教師が六回もブラジルを訪れていたことから、平松教授は大学のルーツを知ろうと以前からブラジルの訪問を待ちわびていたそうだ。
平松教授は「サンパウロ市の大きさにびっくりした。カイピリーニャがおいしい」と笑顔でブラジルの印象を語る。また、USPの経済学部生の一〇%が日系人だということに関心を持ったという。
同大学商学部ではポ語の講座も行っているという。平松教授は「大学をさらに国際化していきたい」と意気込んでいた。