ニッケイ新聞 2009年6月23日付け
十九日にサンパウロ市内で行われたブラジル日本商工会議所(田中信会頭)の定例昼食会で、日伯友好百周年基金の最後の助成式が行われ、余剰金の約十万レアルがサンパウロ日伯援護協会が現在建設している福祉医療センター構想に渡された。この基金を運営してきたのは日系主五団体(文協、援協、県連、商議所、アリアンサ)から構成される日伯友好交流促進協会で、助成額総額は創立以来、計二百六十三万レアルとなり、本年末を基金解散期日として清算手続きに入ることが報告された。
日伯修好百周年は、一八九五年にパリで調印された日伯通商航海条約により両国の国交が樹立されたことを記念し、一九九五年に紀宮清子内親王をお迎えして盛大に祝われた。
これらの諸行事の費用として、日系主要五団体が募金活動をした結果、余剰金が約八十五万レアル残った。これを基金に日伯友好交流協会が設立され、両国の友好促進に寄与するプロジェクトに支援してきた。
〇二年までに二十三件、計八十五万レアルを運用益から支援。その後、昨年の百周年記念事業に十一件、百二十五万六千レアルの助成をしてきた。
書類の不備などで振込みがまだ行われていない中期プロジェクト二件(移民史料館及び移民百年史)の計四十二万レアルも近く実行可能見込みとなり、清算関係費用等を差し引いて、基金の余剰額が今回、援協に助成されることになった。
同促進協会の田中代表委員長は「大きい額ではありませんが、これが企業や個人からの協力の呼び水となることも期待しています」と覚書を授与すると、援協の森口イナシオ会長は「このような助成を頂き心から感謝します」と礼をのべた。
同福祉医療センターが完成すれば、最新の医療機器を備え、人間ドックによる定期健康診断などを日本語で行えるようになり、コロニアだけでなく駐在員にとっても便利な信頼のおける医療サービスが受けられるようになると期待されている。
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昼食会の三分間スピーチでは、在聖総領事館から「近々行われる衆院総選挙に在外投票を」と呼びかけ、また救済会の相田祐弘第一副会長から会員増キャンペーンや物品の寄付などの協力が呼びかけられた。
代表者交替では商船三井の廣瀬隆氏の代わりに寺元清隆氏が、タカタ・ペトリ社の長瀬周治氏の代わりに大竹茂氏(元在伯大使館公使)が着任し、それぞれあいさつをした。また、パイロットペン・ド・ブラジルには佐野典久氏が着任した。
当日は伯日議連の飯星ワルテル会長(下議)、ウイリアン・ウー同副会長がそれぞれの議員活動の成果と現状を語った。
中でも飯星会長は、十六日に下院講堂で行われた新幹線セミナーには七十人もの市長や市議が参加するなど、成功裏に終わったと報告した。その一方、ウー副会長は「高速鉄道に関し、韓国やフランスも強力なロビー活動を展開している」と注意を促した。