ニッケイ新聞 2009年6月24日付け
【既報関連】聖体祭の休みに国外旅行した人の新型インフルエンザ感染確認などで、二十日以降の患者急増を受け、Anvisa(国家衛生監督庁)がメルコスル諸国からの帰伯者への警戒強化と二十二日に発表した。
二十三日付伯字紙によると、二十二日にも二五人の真性患者が確認されたブラジルでは、二十日~二十二日だけで一〇九人の真性患者が確認されたことになり、患者合計も二四〇人となっている。
このため、同監督庁ではこれまでの警戒態勢を見直し、メルコスル、特にアルゼンチンとチリからの帰国者に対し、空港や港、国境地帯での健康報告書提出を義務付ける事とした。
また、サンパウロ市では二十二日までに、三つの学校が冬期休暇前倒しを決めた(二十三日付本紙既報)が、二十二日、二十三日には、サンパウロ州立大学アシス構内やタウバテの高校が、今週一杯講義中止を決めている。
一方、リオ市セントロのVele社では、三〇階で、フロアー全体の消毒作業や、同階で勤務する従業員や出入りの業者ら約九〇人の自宅待機を決定と二十三日付G1サイトなどが一斉に報道。
同階に出入りするコンサルタントの罹患が判明したためで、同疾患が経済活動などにも影響を及ぼし始めた事を表す一例といえそうだ。
更に、人口六万人の南大河州のサンガブリエル市では、十八日にアルゼンチンから帰国した学生が新型インフルエンザの症状を訴えて入院後、患者と接触した一七人にも症状が現れ始めたため、二十二日に学校の授業や人が集まるイベントの無期限中止を決定した。市を挙げての非常事態宣言ともいえる処置だ。
二十二日現在の患者数は、サンパウロ州一一〇人、サンタカタリーナ州三二人、リオ州三〇人、ミナス州二五人、連邦直轄区一三人、南大河州七人、エスピリトサント州六人、トカンチンス州四人、マット・グロッソとパラナ州三人、バイアとゴイアス州二人、アラゴアス、北大河、マラニョン各州一人。被疑者も一五九人と報告されている。
二十三日には、サンパウロ州並びに保健省から、チリとアルゼンチンへの旅行は避けるようにとの勧告も出された。