ニッケイ新聞 2009年6月25日付け
【沖縄県発】沖縄パンアメリカン連合会(会長=大山盛稔・沖縄カナダ協会会長)主催の「移民の日交流会」が十八日、那覇セントラルホテルで盛大に開催された。今年はアメリカ(ハワイ)、カナダ、キューバ、ボリビア、ペルー、ブラジル、アルゼンチンの七カ国が参加。ブラジル移民百周年をきっかけに、去年にも増して大勢の人が集まり、約三百人近い人出となり、入りきれない人が廊下まであふれていた。
この連合会は九四年に沖縄からの南米移民の親睦とウチナーンチュ大会に向けての横のつながりを深めることを目的として結成された。当時は連合協議会の名称で、九五年に正式にパンアメリカン連合会(以後、連合会と省略)としてスタートした。
会場の受付には、尚学高校(コレジオ・ブラジリアの姉妹提携校)の生徒達がボランティア。開会の挨拶に連合会事務局の与座宏章事務局長。主催者挨拶は大山盛稔会長が、来賓祝辞には安里カツ子副知事、沖縄県議会の高嶺善伸議長が駆けつけた。
乾杯の音頭は沖縄県国際交流・人材育成財団の仲村守和理事長。司会は連合会副会長、沖縄ペルー協会の比嘉憲太郎会長が行った。
シンポジウムには「若者が見たウチナーンチュ社会/ウチナーンチュ・ネットワークへの提言」に、三人の若者のパネラーが登場した。小波津亜廉(沖縄尚学高校三年/アルゼンチン移住百周年参加)、仲本いつ美(琉球大学法文学部四年/ブラジル移住百周年参加)、儀保ダーシー(元県費留学生・真和志小学校英語講師/ハワイ出身)のパネラーの体験談には立ち見も出るほどの盛況ぶりをみせた。特に、ハワイ出身のダーシーさんの見事な方言での挨拶には惜しみない喝采が送られた。
余興の県費留学生による流舞や沖縄ハワイ協会のフラダンスとウクレレ演奏、那覇少年少女合唱団による沖縄民謡、ブラジルの楽器演奏(翁長巳酉)、カチンバ151のサルサの演奏では参加者がカチャーシー踊りとなり、見ていた人々も次々と前に出て盛り上がった。
最後に沖縄に滞在する留学生研修生の紹介、連合会副会長の沖縄ハワイ協会の真喜屋明会長が閉会の挨拶をした。
大山会長は「海外のウチナーンチュは沖縄の財産である」と断言。会場には南米の研究をしている琉球大学や名桜大学の教授や、年に一回のこの日を楽しみにして、離島からわざわざ出てきたというアルゼンチン移民のお年寄りや、ペルー、ボリビア、キューバ帰りの面々も集まり、交流会終了後も途切れることのない会話で、人々の輪は会場にいつまでも残っていた。(翁長巳酉さん通信)