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コカイン消費3年で倍に=世界での減少傾向に逆行=女性の常用者増加が顕著

ニッケイ新聞 2009年6月26日付け

 国連の薬物犯罪事務所(Unodc)が二十四日に発表した薬物白書によると、〇八年の世界的なコカイン生産は一五%減り、消費量も減ったが、ブラジルでの消費は三年間で倍増と二十五日付伯字紙が報じた。
 世界的なコカイン生産と消費の減少は一〇〇年に渡る取組みの結果と喜ぶ白書では、最大のコカ栽培国コロンビアでの一八%減産が、ボリビアとペルーでの六%と四%の増産を凌ぎ、世界大の減産に繋がったという。
 南米はコカイン生産の中心地で、〇七年の押収量の四五%を占めているが、麻薬類の中継地であるブラジルでのコカイン押収量は増え、世界一〇位。
 ところが、押収量が増える一方、国内での消費量も増えていることが、大きな懸念材料だ。
 ブラジルのコカイン使用者は八九万人で、一二~六五歳の人口に占める割合は、〇一年の〇・四%が〇七年は〇・七%に増えた。南米ではアルゼンチンの二・六%が最高で、チリ一・七%、ウルグアイ一・四%、コロンビアとボリビア〇・八%。
 一方、コカイン以外に懸念されるのはクラッキやエクスタシーの消費増加。クラッキ押収量は一年で一四五トンから五七八トンに増えたが、〇七年に二一万錠が押収されたエクスタシーの高校生の使用者は、〇七年に三・四%もいたという。
 麻薬押収量増加は、経済力向上と、捜査体制強化などの結果だが、コカイン消費増加は、経済力向上と常用者への支援体制不足の反映でもある。
 二十日付エスタード紙によると、コカインによる中毒患者は全国では一日一〇人の割で増えているが、サンパウロ州で治療を受けた女性は、〇六~〇八年に三六五、五八九、六九六と、九一%も増えているのも注目される。
 これは女性のアルコール消費増加傾向と一致しており、アルコールとコカインの併用が常用化すると死に至るケースも多い。女性の常用者増加には、女性の社会進出と孤立化など複雑な要因も絡んでいるという。
 オズワルド・クルース財団によると、〇七年の男性の中毒死因としての麻薬は、農薬を上回り、薬に次ぐ第二原因だったという事実を再認識し、常用者の支援強化を図るべき時期も迎えている。

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