ニッケイ新聞 2009年6月26日付け
ベネズエラのニコラス・マドゥーロ外相は二十四日、米国との外交関係正常化へ向けて大使を派遣し、緊密な対話を行うと述べたことを二十五日付けエスタード紙が報じた。両国外交関係の正常化は、四月の米州機構会議で話合われた。
チャベス大統領は〇八年九月「ヤンキーは七十二時間以内に出て行け」と追い出し、ボリビアのモラレス大統領も同様に駐ボリビア米大使を追放した経緯がある。
オバマ大統領が、ラテン・アメリカ内外における反米枢軸との外交関係を樹立する戦略の一環として、ベネズエラ懐柔政策が行われた。続いてキューバやシリアとも打診が行われている。
ベネズエラ側も国民の支持が高いオバマ大統領に敵対するのは、高くつくと見たようだ。金融危機後、経済が頭打ちしている同国では、この際、米国と経済的同盟関係を結んだほうが得策と考えたようだと、ベネズエラ政治研究所長が述べた。