ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | アラグアイア=発掘に専門家が同行=遺族立会いで土壌分析を

アラグアイア=発掘に専門家が同行=遺族立会いで土壌分析を

ニッケイ新聞 2009年6月27日付け

 軍事政権時代にパラー州やトカンチンス州にまたがるアラグアイア地方での軍事訓練中に、軍部に見つかり処刑された反政府ゲリラの遺体処遇問題が再燃している。この遺体探しに、七月派遣予定の部隊は先に掘り起こした場所を中心に再調査することを陸軍が二十五日に発表と二十六日付けフォーリャ紙が報じた。
 陸軍は、発掘予定地や遺体が埋葬された可能性のある場所を指示した新たな書類が一切ないと証言。関係者や民間人の証言場所、現在ある報告書などに従って探索するだけと発表している。
 ブラジリア連邦裁判所のソランジェ・サウガード裁判長は二〇〇三年、連邦政府に対し当時の機密文書を公開し、百二十日以内に処刑された人たちの遺体を遺族へ返還するように指示した。
 それから六年が経過したが、裁判所の通達は実行されていないという。政府は総弁護庁を通じて二回、連邦地裁と連邦高裁に抗弁を行ったが、敗訴となった。そのため国防省は五月、遺体探しの陸軍部隊を召集した。
 歴史学者は、六十人の共産党員が密かにこの地方で埋葬されたと見ている。マリア・L・ペチット氏の遺体だけがシャンビオアーで発掘され、他は今日まで行方不明。
 発掘予定地は十四カ所。ゲリラ掃討作戦を展開した陸軍野戦基地などがあった場所だ。文書記載のない噂の個所は、予定地に含まれない。マラバーの密林歩兵部隊も、兵站協力で同行する。
 一行には人骨が風化した土壌を調べる地質学者、土壌の中に残る生命の痕跡を調べる法定人類学者、法医学者、犯罪の形跡を調べる専門家らが同行する。これら専門家は、ブラジリア国立大学や連邦警察、ブラジリア市警、科学技術省から派遣される。
 その他、遺族の親族やクリオー少佐ことセバスチオン・C・ロドリゲス退役軍人も同行する。抵抗できない捕縛状態で処刑された四十一人のゲリラについて、同少佐が何かを知っている筈だとジェンロ法相がいう。