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PSDB・DEM=サルネイの去就検討へ=尾を握られる上議ら=隠れた賃借関係明るみに=「これから真相暴露する」

ニッケイ新聞 2009年6月30日付け

 野党のPSDB(民主社会党)とDEM(民主党)執行部は二十八日、サルネイ上院議長の去就について三十日に討議するため幹部を招集と二十九日付けフォーリャ紙が報じた。同会議では上院問題では最も勢力的に取り組んでいたアルトゥール・ヴィルジリオ上議(PSDB)が実は、焦点の人物アガシエル・マイア元上院事務局長から借金をしていたことが明らかになり、他の上議と同元局長との貸借関係も問われる事態になってきた。元局長は「これから真相を暴露する」と三者を通じて表明しており、今後の進展に注目が集まっている。

 ヴィルジリオ上議の借金は、先週末の雑誌『イスト・エー』の報道によれば、同上議が二〇〇三年、フランスへ旅行した時のもの。
 同誌は不足額を穴埋めしたので、一万レアル以上だという。同上議のクレジット・カードに問題があったために決済できなくなり、同上議の側近次席がアガシエル元局長から寸借した。
 次席は関係者で手持金を出し合って、その週のうちに元局長に返済。だから同上議には報告の必要がないと思っていたと弁解した。次席は元局長と同じ屋根の下で働き、親しかった。同上議の立場まで考えが及ばなかったようだ。
 上院倫理委員会で議長の倫理が審理されるならば、同上議は元局長から不本意な借金をしたことを説明する必要がある。フォーリャ紙の調査によれば、同様のケースで多数の上議が元局長に尻尾を握られている。
 今まで表沙汰になっていないPSDB幹部の真相をこれから白日にさらす用意があると、元局長は第三者を通じて声明を発表した。多くのPSDB上議や上院議長のライバルであるチオン・ヴィアナ上議(PT=労働者党)は、元局長に負い目があるようだ。
 アガシエル元事務局長が更迭されるに至った疑惑については、七月一日に審理が開始される。上院における暗黙の了解による違法行為の主犯とされ、上院調査委員会は最終報告書を作成する。連邦検察庁も同時に調書を作成。
 アガシエル元局長の娘の媒酌人であるサルネイ議長も喚問される。PSDBとDEM両党は三十日、サルネイ議長に対する見解を決める。両党は、同議長の孫が経営する金融会社と資金の出所や金融システムを、上院倫理の議題に乗せることになりそうだ。
 DEMは、同金融システムは、先に更迭されたゾグビ元人事部長の息子が上院内で営業をした金融仲介業のシステムと類似のものとした上で、同様のケースを別々の秤や重りで扱う事は出来ないという。