ニッケイ新聞 2009年7月1日付け
アルゼンチンの国会議員選挙は六月二十九日、キルチネル大統領夫妻の与党が三一%で最多議席を保ったものの、過半数を割ったことが判明と三十日付けエスタード紙が報じた。野党の社会市民連合は、第二位で二九%を獲得した。
総合して有権者十人のうち七人が、野党へ投票したことになる。これまでペロン派政権が、これほどの敗北を喫したことはないし、これまでの強硬政策から大幅な政策転換が迫られそうだ。
キルチネル政権は保健相が辞意を表明するなど、すでに侵食現象が始まっている。アナリストらは事実上、政権崩壊の序章と見ている。またキルチネル前大統領は、与党ペロン派正義党の党首辞任を発表した。
後任には同党穏健派のダニエル・スシオリ氏が就任、造反党員らに呼びかけて党内の収束を図る考えのようだ。